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2005年11月20日 (日)

論理的思考を鍛える授業のコツ

論理的思考を鍛える授業のコツ~理科~

                    大谷 和明

1 実験と観察指導のコツをつかもう

 論理的思考を鍛えるのに適してる教科として理科を筆頭に掲げる人は多いと思います。
 さらに、理科授業のうまみは実験と観察にあります。
 だから、実験と観察を指導する際のコツをつかめば、論理的思考を鍛えることができるものと私は考えています。

2 二つの思考のルート

┌─────────────────────┐
│   ┌──┐ →演繹的思考→    ┌──┐   │
│   │原理│                            │ 事例│          │
│   └──┘ ←帰納的思考←    └──┘   │
└─────────────────────┘
 「予想を立ててから実験をして確かめる」と
いう流れは『演繹』的な思考です。
 「観察して得たいくつかの結果をとりまとめた中から、決まりを見つけ出す」という流れが『帰納的』な思考です。
 このことを意識しておいて、実験・観察に導くだけでも授業の流れを子どもの思考の流れの中でみることができるようになります。
 これはコツというよりは大事な原則です。
 後は、指導する教材・単元がどちらの思考方法を取らせるのかを考えて教材研究していけばおおよその指導プランが立つことと思います。
3 必ず結果の予想を立てさせる

 予想を立てさせることは大切なことです。
 なぜなら、予想を立てることによって、自分の考えを明確にさせることができるし、考えがまとまっていれば、その考えをさらに明晰なものへと高めることができるからです。
 また、友達の意見にも関心を持って聞くことができるようになるからです。
 つまり、
┌───────────────────┐
│ 問題・課題に対して問題意識をもって臨む│
│ 態度が形成される                      │
└───────────────────┘
からです。
 予想することで、思考の「よりどころ」を持たせることができるというわけです。
 自分の考えをもつことで、ほかの意見を比較して聴くことができるようになります。
 比較するということは「観察の原則」でもあり、次のような効果をもたらします。
┌───────────────────┐
│ 二つのもののギャップを埋めようとする働│
│ きが思考力に影響を及ぼす。思考の往還作│
│ 用を活発にする。つまり、思考力を鍛える│
│ ことになる。『観察・実験・飼育の技術』│
└──────授業技術文庫19 明治図書 ┘
 さらに鍛えることを意識するならば、
┌───────────────────┐
│ 予想の根拠をノートにかかせる         │
└───────────────────┘
ことが効果的です。ここでいうところの「かかせる」ということは、二つあります。それは、
                          『書かせる』と『描かせる』
の二つです。
 どちらも思考表現でありますが、子どもの能力や思考スタイルとして、言葉の操作に優れている子どもの場合は、言語表現を駆使して思考内容の具体化を図ることができるわけです。
 しかし、中には言葉でうまく表現できない子どもたちもいるわけです。それは、大抵の場合学齢が低い子ども達に見られます。
 したがって、一律に言語表現を求めるとそれがために、授業嫌いにしてしまいかねないわけです。
 予想の理由づけに慣れてくると、絵と言葉を上手に組み合わせて、相互に補いあうようになってくるので、そうなるとしめたものです。
 とりわけ、理科の場合、目に見えない状態や言葉で表現することが難しい事例が多くありますから、日頃からこの点を鍛えておくことには意義があります。
 時として、「分からない・・」「予想がもてない・・」という子どもがいますが、その際は
┌───────────────────┐
│ でたらめでもいいから予想を持たせる    │
└───────────────────┘
のです。ただし、そのような子どもには、理由の根拠を執拗に求めてはいけません。『でたらめでもいいから』というところに、安心を得ているのです。
 根拠をもてた子どもたちの考えを聞いていたり、同じような授業を繰り返す中で、だんだんとできるようになってきます。その時にほめてあげればよいのです。
 最初から予想と根拠をセットでもてている子どもたちをほめるのは言うまでもありません。
4 聞き上手を育てる

 ともすると、発表する子どもが中心となって授業が進みがちになります。そうなると、圧倒的多数を占める子どもたちにも飽きがきますし関心が弱い子どもにとっては自分のことしか頭にないものですから、友達の発表を聞き取ろうとしない子どもも出てきます。
 そうなるとやがて、授業の緊張感や集中力が弱くなってきて、雑然となってしまいます。
 予想とその内容を聞き合うという中から、科学的な論理や原理を導くという思考作業が進められるのです。
 関心を高めていくには、
┌───────────────────┐
│ ノートに意見判断を記録させる         │
└───────────────────┘
のが効果的です。
 自分の予想に枠組みをして書かせ、その下に(大谷 ○)(森田 ×)というように、自分の予想と同じ意見に「○」異なるものに「×」をつけて聴くようにさせます。
 予想といっても、多くの場合、選択肢が2~3つがほとんどでしょうから、意見の判断は、○か×かで足ります。
 予想が同じでも、自分と違う考えが出てきたら、記号の他にもその内容を書き添えるようにさせていくといいでしょう。(もちろん、日頃から書くスピードを速めるような指導をしておくことが必要ではありますが・・)
 これがさらに慣れてくると、○派~×派のように分かち書きして見やすくまとめる子どもも出てきます。あらかじめ、教師の方で板書に手本を示すことで定着を図ることもできます。

5 アイテムワード

 予想を支える言葉を与えていくと論理を鍛えていくことができます。例えば、「もしも~なら・・はずだ」「・・なったので当然~なるだろう」「例えば~のように」「AとBは同じでCとDも同じ関係だから~」「前に~の勉強をしたときに・・のようなことがありました」
 論理を支える具体的な事例は論理の構築の柱です。言葉は道具ですから、使いこなすことで使い方も上達していくものです。

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