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2005年11月12日 (土)

ひらがな指導に目隠し書きを

〈小1 こくご〉  
ひらがな指導に目隠し書きを
                                            札幌市立ひばりが丘小学校 大谷 和明
   ※ これは「法則化論文」として以前に発表したものである。

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 ひらがな学習の時間、TOSS(向山)式漢字習得指導法の『指書き』と『なぞり書き』の間に、新しい過程を挿入してみた。
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│        目をつぶって書いてみる                                               │
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という方法である。
 名づけて、            
┌──────────────────────────────────────┐
│                目隠し書き                                                   │
└──────────────────────────────────────┘

2  授業の様子

 『今日は、「す」の練習をしましょう。』
 いつも通りに練習用プリントを配布して授業を始める。
 いつも通りに空書き(で、筆順を間違っている子どもの確認をする)    
 指書き(で、自分で筆順を再確認させる)と進んできたところで、おもむろに言う。 『はい、ストップ!今日は、新しい練習をしてみます。目隠し書きです。』
 「ええ~!なんですかあ~?!」「なに、それ?」と多少ざわつく。
 『いつもなら、この後になぞり書き練習をしてから清書しますが、今日はその前に目をつぶって書いてみましょう。上手に書けるでしょうか?』 「ええ~、見ないで書くの~?」「どこに書くの~?」
 『プリントをひっくり返しましょう。裏には、何も印刷されてませんね。 そこを使って書いてみましょう。ただ~し!目隠しですからね。目をつぶって書くので、慎重に書かないと変な字になってしまいますよお。 一字書いたら、どんな字が書けたか見ていいですよ。では、始め!』                               始める前は、キャーキャーいっていた子どもたちも、いざ書き始めで目をつぶると全体がシ~ンとなって書き始めた。
 一応、書いている字の方を見る子どもや正面の黒板に顔を向けながら書いている子、中には目をつぶりながらさらに左手で目隠しをしている念入りな子どもまでさまざま見受けられた。
 確認で目を開けた子どもたちからは、
「あ~、こんなんなっちゃったあ~」「へんな字~」「先生、これ見て!」と互いに見せあって楽しんでいる歓声が上がってきた。
 中には、「じょうずに書けた!見てみて」という子どもも結構いて、それが目をつぶって書いているとは思えないほどうまいものもあった。
 『おお~、これはすごい!みんなみてごらん!』と早速全体に提示。
 「先生、もう一回書く!」「まだ、やっていいですか?」との声に、
 『どうぞ、やってください。』と励ましてあげた。
 目隠し書き全部で、1~2分程度の時間を書けてから、『なぞり書き』練習に移行した。
 子どもの中には、清書より『目隠し書き』の方がうまく書けた子がいて、子ども自身びっくりしている様子だった。

3   目隠し書きの効果
 
 『空書き』『指書き』は書いた結果が残らないが、失敗書きを気にすることなく練習できる。
 反面、『目隠し書き』は、失敗書きすることがあるが、書いた結果がはっきりと残るという利点がある。失敗書きといっても、目をつぶって書いているので、愛敬ですませて失敗で失望するということがない。
 どちらも
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│           文字をイメージして練習する                                        │
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という点では、表裏関係にある練習方法と考えられる。
 ひらがな指導に、TOSS(向山)式漢字習得指導法に加えて「目隠し書き」を導入したことで、子供たちに次のような学習効果が見られた。
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│ ・  形に、より注意をはらうようになった                                      │
│ ・  特に線と線の交点のポジションにこだわるようになった                      │
│ ・  自発的に再挑戦を繰り返す子どもが増えた                                  │
│ ・  ひらがな学習に積極的になる子どもが増えた                                │
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 なお、目隠し書きは二画以上で交差する線のある文字(す・お・か・き・け、など)の時が効果的であると考えられる。

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