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2005年11月30日 (水)

代案を示す

以下は、以前に校内研究授業に対して、私が授業代案を示したものである。
これくらい厳しくやりあうようでないと、「もたれあい」「なれあい」の軟弱な研究ごっこになってしまうと考えている。
                    '96.10.8 Tさん研究授業と大谷代案
授業構想メモより
 
☆様々な能力の子どもがいるので、順をていねいにおっていくことにする。
 
★ここで言う「様々な能力」というのは、低次・高次の国語能力の違いを念頭にもっていることと考える。であれば、次の仮説を想定しているものと想像される。
 国語の能力が低次の子どもたちに対しては、話を筋(展開)を順を追ってみ進めることが必要である。
 
  はたしてそうか?
 「順をていねいに追っていくこと」とは、話の展開をなぞらえるということで、筋読みをすることであり、低次の子どもたちに内容の深い読みまで導く余裕がなくなるのではないか?と私は考える。
・・うちの中を見ると、土間にくりがかためて置いてあるのが、目につました。「おや。」
と、兵十は、びっくりして、ごんに目を落としました。
 
 この最終章の場面で、浅い読みでは次のように読み取るであろう。
① 土間にくりが置いてあるのを兵十が見つけたのだな・・
② それを見て、兵十は驚いた(びっくりした)のだな・・
 
 ここを深く読むと次のことを検討することになるだろう。
③ くりをかためて置いたということは、ただ投げこんだわけではないのだな。どうしてごんは、くりをかためて置いたのだろう・・考えられることは、放りこむと、その物音を兵十に気づかれてしまうからだろう。あるいは、ごんのやさしさの現れとしても考えられる。例えば、霊前に花を捧げる場合、花を投げるようなことはしないで、たむけたり花瓶にさしたりするものである。
④ 兵十がごんに駆け寄ってきたときに、まずうちの中を見たというのは、どんないたずらを今度はしでかしたのか?という不安からで、それがはずれたことだけでなく、さらにはくりがかためておいてあったという意外な情景を見たことによるものだろう。この時点では、兵十は自分がおかしてしまった過ちには、気づいていないのではないだろうか・・だから、ごんがうなづいたときに、火なわじゅうをとり落としたのであろう。
 
 読み取るという学習活動で、話の筋をなぞらえるだけなら、Tさんがいうとおり、『国語はつまんない。国語というと”えー”という反応が出る。たしかに国語はできる子にとってはあたり前のことしかやらないし、わからない子にとっては、ちんぷんかんぷんのままである。』という指導者としての力量に疑問を投ぜざるを得ないコメントが出てくるのであろう。
 『本当に様々な子どもがいるので、うまく生かしていくとおもしろい授業ができそうだ。』と推測するのなら、この場はぜひ、最終場面の筋のなぞりに終わらせずポイントを絞ってじっくりと考えてみる授業を展開してほしい。
 
 さらに、『できない子もできる授業』『(話し合いで)認め合える授業』をしたいということであれば、やはり、《どのような手だてでするのか?》を示す必要がある。それがなければ、スローガンや教師の願いだけで、空虚な研究授業になる。 その提案部分があってこそ、授業後の検討会が意義あるものになるし、研究成果として確実に残っていくものなのである。
 
 
 
 
【大谷の学習指導試案】
目標
 ごんの償いの行動を、兵十は理解することができたかを検討することができる。
 児童の活動     教師の活動  留意点
関連語句の指摘





「火なわじゅうをとって」
「足音をしのばせて近よって」




「かける+よる」の複合語の指摘検討





くりがあること・かためておいてあること



「ごん、おまえだったのか・」「・・うなずきました。」「ごんに目を落としました」かの比較検討




青いけむり・細く出て・出ていました・・などの検討


 
  つまらない・ひきあわないとの関連検討

分かるように置けばよいではないか・

こんどこそとっちめてやるこのまえの仕返しをしてやるぞ。



しめしめ、今度はどんないたずらをしでかしたのだ


土間にくりがかためておいてあるのを発見したので。



ごんがうなずいたとき




ここはここの捕らえ方を尊重することができる。まさに読者の批評を聞ける部分
 




 
発問1 ごんの行いを兵十に知らせる一番よい方法は、なんですか?
 
 
発問2 「ようし。」にこめられている兵十の気持ちを検討しなさい。
 
 
発問3 兵十は歩かずに、「かけよってきた」わけを検討しなさい。

 
 
発問4 兵十は何に「びっくり」したのですか?

 
 
発問5 兵十のごんに対する気持ちが一変したのは、いつですか?
 
 
発問6 「青いけむりが、まだ、つつ口から細く出ていました。」は何を象徴していますか?
 
 


 
 

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