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2005年11月20日 (日)

私の環境教育の授業づくり

※これは以前雑誌に投稿した原稿である。資料が実際には添付されていたのだが、ブログでは掲載していない。一部読み苦しいところを了承のうえ、ご覧ください。

 特集 

                      環境教育の最前線 
                                       

(4)私の環境教育の授業づくり
  ② 理科の視点から
                                                      大谷 和明
1 「野生生物絶滅のメカニズム」図

 元・札幌円山市円山動物園園長の金田壽雄氏の講演を伺う機会があった。
 氏は、長年動物園管理者として、野生生物の絶滅の危機を訴えるための資料として提供されたものであるのだが、地球環境問題を総合的に把握していく学習資料としても効果的に使用できるものと私は考えた。

2 説明落ちの部分を補足する

 矢印の内容で未記入部分があるので、補足する。

化学物質の使用→地球の温暖化
    メタン(天然ガス中・石油の熱分解でも発
    生。有機物質を含む汚泥からも発生。)
    亜酸化窒素(窒素酸化物:自動車や工場からの排出ガス)

化石燃料の使用→海洋汚染
    タンカー事故は最たるもの。排気ガス・排出物質が海洋動植物(プランクトンや海藻類、魚介類など)を汚染させている。

海洋汚染→野生生物の減少
     日本近海の魚介類のダイオキシン汚染は世界一と言われている。日本の国土全体でダイオキシン汚染が進んでいるという照査でもある。生物濃縮が進み日本人一人当たり一日で百六十三ピコグラムのダイオキシンを摂取しているといわれる。
     いわゆる環境ホルモンとして生物減少に拍車をかけているのである。

熱帯雨林の減少→野生生物の減少
     野生生物の生活環境そのものを奪っているということで説明はいらないだろう。

開発途上国の公害→野生生物の減少
     途上国への工場の進出は、急激に現地の自然破壊を引き起こしている。野生生物はおろか地域住民への直接被害も深刻なものがある。

化学物質の使用→有害廃棄物の越境移動
     石油生成物質が海に流れていくことはもちろん、有毒ガス・有害物質の飛沫飛来など世界的な広がりがある。

開発途上国→人工急増
     避妊知識が乏しくバースコントロールが取れないのである。

先進国→化石燃料の使用・化学物質の使用
     産業革命以来の重化学工業の発達が如実に物語っている。
                       
3 考えられる授業プラン例

┌矢印不備部分を一斉授業で補うプラン──┐
│  今述べたような内容をニュースや新聞、│
│ 一般教養知識を引き出しながら埋めていき│
│ 図全体を完成させる。                  │
└───────────────────┘
┌─単元導入・概論把握のプランとして──┐
│ ①マスの中を抜いておき、何が入るかを  │
│  考えさせる。                        │
│ ②矢印の項目を抜いておいて、何が入るか│
│  を考えさせる。                      │
│ ③何か所かのマスと矢印をセットで抜いて│
│ おいて、何が入るかを考えさせる。     │
└───────────────────┘
┌─調べ学習のきっかけとして──────┐
│ ①相互の枠の関係について、現況を調べ  │
│  させてみる。                        │
│ ②一つの枠内の事柄について年々の数値の│
│  移り変わりを調べさせてみる。        │
│ ③一つの枠内の事柄について、具体的に  │
│ どのような物質がどのように働いている  │
│  のかを調べさせてみる。              │
└───────────────────┘

4 環境ホルモン問題を組み込みしてみる

 重大な問題なのに、このことが図版からは欠落している。どの枠とどの枠との間に入る事柄なのかを考えさせてみて、環境ホルモンの影響について、調べたり補足説明を受けたりする授業が考えられる。すでに補足説明した通り、日本にとってダイオキシンの問題は自滅状態に近づく勢いで汚染が進んでいるという危機感を持つべきである。環境問題は、グローバル・エコロジーとして学習し、意識定着を図り実践することが必要であるが自分自身の安全を考えられずして他のものたちへの配慮がもてようはずがないと私は思う。「化学物質の使用」→「野生生物の減少」に入る。金田氏は講演の最後に『「野生生物の減少」を人類の減少に置き換えてみてはどうでしょう。』という提言をされたのだが、環境問題は生物共存のシステムを根底から覆す問題をはらんでいることを再認識させられたのであった。

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