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2005年12月21日 (水)

教師の教育課程編成能力

 これは以前に雑誌へ投稿した原稿である。結果的に教科書の2年間分先渡し措置というのが後に実現したので、やや先見があった内容なのかもしれない。
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特集 問われる教師の教育課程編成能力
                             複式教育的教育眼の効果

1 複式教育に当たれ

 二学年を見通した教育課程編成と聞いて、私が真っ先に思い浮かんだことは、
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│  複式教育にあるじゃないか                    │                           
└───────────────────────┘                            
ということだった。
 私は、新卒五年間を複式校で過ごしたので、そのことをすぐに思いついたのだと思う。
 また、現在、複式校に勤務されている方々には、別段色めき立つようなできごとではないだろう。
 特に、完全複式校(複式三学級。つまり1-2・3-4・5-6年のセット)では、すでにAB年度式の教育課程をもって実施していることだろうから、これまでの編成の実績を使っていけばよいのである。
 逆に、都市部の方々にとっては、何をどうすればよいのか、処々の悩みがあることと思う。
 だから、「複式校の教育課程編成を参照せよ」といいたい。
      
2 行政にお願いが・・・

 複式に準じて教育課程編成をするとなると当然必要となってくることがある。それは、
┌───────────────────────┐                            
│  2年間分の教科書の一括配布                  │                           
└───────────────────────┘                            
ということである。
 これがないと「複式式教育課程編成」がうまくいかない。なぜなら、1年生に2年生教材をもってきたり、2年生に1年生の教材をもってくる組み替え編成ができないからである。
 教科書を使わない方針であればよいのだが、教育現場には、なかなかその余裕がない。というか、教科書を積極的に使ってほしい文部省サイドとしてはそれくらいの配慮が当然必要になってくるだろう。(この原稿執筆段階では、そのような情報が私には得られていないのだが、すでにそういう施策が取られていたとしたら、不明をここでおわびしておく。)

3 生活科と社会科との連関に配慮せよ

 社会科では三・四年セットが提示されている。
 これまでもそうだったように、社会科・生活科とも子どもの社会認識を育てていくために、体験学習を重点的に行ってきている。
 どこの学校でも「見学学習(現地学習)」を実施していることと思う。
 これまでは、学習内容にあるから見学施設に行かせていた~というような教師サイドよりの実施意識だったと思う。
 これからは、
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│  アグレッシブな学習の必要性                  │                           
└───────────────────────┘                            
が求められてくる。つまり、教師がお膳立した見学コースに子どもを乗せていくというのではなく、子どもの学習の中から発展として見学要求が出てくることが考えられる。
 従来だったら、年間計画にないからということで、事前に用意されていた見学学習しか実施しなかった実情が、これからは掘り起こしたニーズに応える見学学習を用意する必要性が高まることと思う。
 これを称して「アグレッシブな学習」と私はいっている。4 アグレッシブを支えるマネージメ  ント 生活科で行動的に学習することを身につけた子どもたちに、社会科でも同じような学習の場を提供しようとするなら、それなりに時間の捻出が必要になってくる。どうするか?
┌───────────────────────┐                            
│時間と内容を圧縮するのである。                │                           
└───────────────────────┘                            
 「廃棄物処理」に関してなら、ゴミか下水処理かのどちらかを選択するという、選択幅が広がることによる圧縮ではなく、
┌───────────────────────┐                            
│   行事化による時間の圧縮                     │                           
└───────────────────────┘                            
である。
 これまでも、運動会や学習発表会、遠足などの学校行事では、その中に教科時数を組み込みして教育課程編成をしていたところが多いと思うが、それは時間の帳じり合わせであることが多かった(はずである)。そこに、
┌───────────────────────┐                            
│        実質を伴わせる                        │                           
└───────────────────────┘                            
ことで、時間と内容の両面を圧縮できるのである。
 これまでの「遠足は遠足」「教科学習は教科学習」という時間の取り方をせずに、『遠足の中で有効に学習活動を進める』ようにする。
 社会科内容(3)に関しては、次のようなローテーションが考えられる。
 〈1年目〉   〈2年目〉
  遠足A  ⇔  遠足B  
 上水道     ゴミ処理場  
 電 気     下水処理場   ガ ス
 これを更に、学習学年を単一学年だけでなく、隣接学年同士で同時に行おうとすると、
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│    運営スタッフが倍増する                    │                           
└───────────────────────┘                            
というメリットも生まれる。そうなれば、当然、
┌───────────────────────┐                            
│子どもの選択希望にも叶えられる                │                           
└───────────────────────┘                            
ということである。

5 「五分間スキル」の構想
 国語科では、能力目標(話すこと・聞くことができる~書くことができる~読むことができる〉を明確に示されている。
 およそどのような能力も日々の鍛錬なくして身につけることはできない。 そうなれば、この教材・この単元で集中的に指導して目標達成を図るということが難しくなってくる。だから、
┌───────────────────────┐                            
│  継続学習のスキル化が必要                    │                           
└───────────────────────┘                            
となるだろうと私は考えている。
 一2年合わせて五百五十時間あまり各五分として、二千七百分ほどの時間が提供されている。2年間で六十時間ほどである。新しい時代では、この細かい時間をどう有効に使えば、学習効果をさらに高めることができるかという手腕が求められてくることだろう。
 中学年社会科では、「地域社会」を学習フィールドにすることが明記されているのだから、これからは、これまで以上に地域そのものを学習の場とするよう教育課程を編成する必要があろう。

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