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2006年10月10日 (火)

私の本棚061010

『バカをつくる学校』(ジョン・テイラー・ガット 成甲書房 1,400円+税)

タイトルの割にひさしぶりに痛烈な教育批判本である。しばしばFT内にある大前組メンバーには、大前研一氏が「子どもを学校にやらない(学ばせないという意味)方がよい」という提言をみたり聞いたりしてきている。著者もまた痛烈にそのことを言っている。次のように断じている。「義務教育が健全な人間形成に有害であることは明らかだ。」(一応、舞台はアメリカ・ニューヨークのことである。ちなみに著者はニューヨーク市とニューヨーク州と2年連続して最優秀教師として認められている人である。このあたりがいかにもアメリカらしいところだ。日本じゃ考えられないね。文科省の実践表彰を受けた人が日本の教育制度を非難するなんて考えられないし、指導要領に沿った指導をして受賞するわけだから、そもそもそこに矛盾が生じてしまうからねえ)

目次がこの著作の全貌を如実に物語っている。各章にトピックセンテンスを掲載している。

・私はあえて自分のやっている正しい教育よりも、間違った教育について話すことにした。間違った教育とは奇妙で、複雑で、恐ろしいものである。

・学校教育は12年の禁固刑のようなもので、教えられるのは悪い習慣だけだ。

・学校がチャイムを鳴らすと、詩を書いていた生徒はノートを閉じ、別の教室へ移動して、今度は進化論を覚えなければならないのである。

・第4の目的とは、子どもたちを企業や政府のために奉仕させるというものだ。購買意欲を刺激し、学校は消費拡大のための精神的訓練の場となる。

いやはや、強烈である。日教組組合員からみても鮮烈なフレーズが次々に綴られていると思うだろう。

さて、大事なことはたった一つである。私たち日本の義務教育をアメリカのようにしてしまってはならないということである。組合階級闘争的な立場でみれば、政府自由民主党の愚民化政策と指摘されている義務教育を正常化していく推進力として私たちが果たすべき仕事は明確である。学力形成と人格形成、この2点である。

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