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2006年11月15日 (水)

私の本棚061115

『ヒトは今も進化している~最新生物学でたどる「人間の一生」』(ローワン・フーパー著 新潮社 1,500円+税)

この手の本は、竹内久美子でよく読むのだが、こちらもまたなかなか面白い文章がでてくる。全体的にちょっとペーソスが効いていて、スラーッと読み流せるのだが、一部、長崎女児同級生殺害事件について述べるところがあり、眼を引かれてしまった。”女の子の仕返しは「目には目を」”という部分である。長崎事件の理由は「たぶん報復だった」ということである。フィラデルフィア小児病院の救急医シンシア・モレンは「どんなときなら暴力をふるっても許されるかについての両親の考え方が、子どものふるまいに影響をおよぼすことが、以前の研究からわかっている。」と、報復への衝動は動物の世界ではひろくみられると指摘している。

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(前段略)もちろん、長崎県佐世保市の小学校でおきた事件は極端なケースではあるが、低くみられたことに対する女性の報復事例の一つだとはいえる。(中略)女性が少なくともひとり関わる事件では、凶器がもちだされることが多かったというのだが、でもなぜ女の子のほうが報復することが多い、それも武器を用いることが多いのだろうか?「今回の研究では調査対象を、8歳から14歳までの少年と少女だけに限った」とモレンはメールインタビューに答えてくれた。「この年代の女の子は、過去のいさかいや暴力に対する報復として暴力行為を計画することが、男の子よりも長けていると考えられるかもしれない。・・・たとえば、”軽蔑”は暴力の顕著な引きがねとなりうる。それゆえ侮蔑されたとき、非暴力的に対処するにはどうすればいいかという技術を学ぶことは、子どもたちや両親にとっても意味があるだろう。」

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このところ”いじめ”自殺事件が頻発しているのは、いじめによる苦痛からの逃避行動とみるよりも、いじめられている被害者が報復という不満解消手段を実行できずに内面化しての行動となって表れているのかもしれない。

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