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2006年11月18日 (土)

私の本棚061118

『幸福論』(PHP研究所編 PHP 1,400円+税)

日本の著名人47名による「幸福論」共演の本である。それぞれに含蓄がある文章で、読んでいて気持ちがよくなる。何人か、感動した執筆者の文章を挙げると・・・(===は、私のコメント)

【養老 孟司さん】だから私は、幸福論など語ろうとは思わない。むしろ馬鹿げているとさえ思っています。だって、今思っている幸せと、後から思う幸せとはまったく別のものだからです。今は辛いと感じていても、何年後かには「あのときは幸せだった」と思うかもしれない。逆に今は幸せだと思っていても、後につまらなく思えるかもしれない。今が幸せかどうかなどと考えることは、まったく無意味なことです。そんなことは後になってから自然に分かってくる。それよりも今取り組んでいること、抱えている問題と必死に闘うことです。考えている暇があるのなら、まずは必死に生きてみること。その積み重ねが、後に幸福感へとつながっていくのだと思います。

==== 簡単に自殺を考える若者達に読ませたいものだ。

【羽生 善治さん】才能とは何かと問われれば、「続けることだ」と私は答えます。続けることなど誰にでもできると思うでしょうが、実はこれが最も難しいのです。来る日も来る日も将棋の勉強をする。これがなかなかできない。好きな将棋であるはずなのに、どこかで気を抜いてしまう。一日でもさぼってしまえば、何ヶ月もの努力が無駄になってしまう。この苦しさを乗り越えたところに才能が生まれてくる。そしてその才能を自らが確信できた時に、充実感と幸福感が味わえる。そういうものではないでしょうか。

==== いつも向山先生に言われていることと同じだ。

【大林 宣彦さん】「五風十雨(ごふうじゅうう)」という言葉があります。五日にいっぺん風が吹き、十日にいっぺん雨が降る。これは農作物が一番健やかに育つ気候の条件だそうです。ところが文明の中に生きている我々は「あいにくの雨」「あいにくの風」などという言い方をする。映画の撮影現場でもついつい晴ればかりを願ってしまう。自然界にとって最も幸福な状態を否定したり、あるいは文明の力で押さえ込もうとする。人間は自然の中で生かされていることを忘れてしまっているのです。

==== 教育現場に生きる我々への語りかけとも受け取ることができる。いつも、平穏無事に日々をやり過ごそうとか、厳しい学級を受け持ち無くないとか、子供たちが引き起こす問題事を成長のチャンスと捉えるより、面倒がおきたな・・と、後ろ向きに考えてしまうというようなネガティブな姿勢に喝を入れられた思いがする。

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