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2006年12月18日 (月)

私の本棚061218

『さつよ媼(おばば) おらの一生、貧乏と辛抱』(石川純子著;草思社 1,900円+税)

私の亡くなった祖母は、上磯(現在は、隣接する大野町と合併して北斗市)生まれだったものだから、語り手の早園さつよさんのしゃべりがじつによく分かる。さつよ媼は宮城県の現登米市生まれなので、方言に違いがあるのだが、ほぼ解読できる。(^_^;)こんな調子だ。

(引用開始)---------おら、西東わかるようになるや、袋っこ持って、町の米屋さ買いにやられたんだよ。おら、みな、正直かたるから。その米こだって二升や三升買って来るのだから、あらや、こればかりの米こ、四人も五人もして二日も食ったら、あと、なんじょすんだべって、六つ、七つからそんなこと案じてたんだお。(引用終了)

聞き書きであるから、全編この調子である。こういうのは活字ではなく、録音でじっくりと聞いてみたいものである。
とにかく苦労話ばかりが語られている。昔の人はみんな貧乏だったというが、とりわけさつよ媼はダントツの貧乏という感じがする。本人も「”おしん”以上」と言っているから、想像を絶するものがある。

無くなった私の祖母の家は、「わらじ脱ぎの家」だとよくいっていたから、まあ貧困がひどかったわけではないようである。この祖母が言っていた言葉に「ためる工夫より使わない工夫」がある。昔の人は含蓄ある生活訓があるものだ。さつよ媼は次のように言う・・

人を助けて我が身助かる
雪と欲ぁ、積もるほど道を忘れる

もちろんさつよ媼のオリジナルの格言ではなく、日本国内いたるところで言われていたものであろうが、含蓄のある言葉だ。「おばあちゃんの知恵袋」というものがあるが、この本からだけでもピックアップして本にできるかもしれない。
いやはやそれにしても、こんなに苦労して生きてきたというのが、切なくなるばかりである。

今は殿様だ・・という言葉に、わずかながら救いが得られた感じがした。

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