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2007年1月27日 (土)

私の本棚070127ゆっくり書くことの効用

『大江戸 生活体験事情』(石川英輔・田中優子 著;講談社 1,700円+税)

面白い部分を見つけた。

----------(引用開始)ゆっくり書くと何が起こるか。まず、書いて
いる間にその空間を細かく観察していることに気づいた。書は字の形
だけでなく、残りの空間全体を眺め感じ取るものなのである。空白を
見ているのは大事なことなのだ。
 次に、腕や手の微細な呼吸が字に現れることに気づいた。字は「勢い」
だというのは嘘ではないが、そのパワーは字の全体だけでなく、数ミリ
の線の中にも限りなくこまかく含まれていて、その全体が字のパワー
を作り出すのである。仕上がりだけ見れば早く書いたように見える文字
も、じつはゆっくり丁寧に書かれていることが多い。また、手習いでは
ゆっくり習い、その呼吸を忘れることなくスピードを上げてゆく。
 私は、筆で字を書くようになって、頭に浮かんだ内容を文字が追うの
ではなく、文字は文字で別の表現を持っており、それをも自分の中から
にじみ出させていくものなのだとわかってきた。しかし、ボールペンで
実験してみると、ゆっくり書くのは不可能だった。非常に疲れるし意味
がない。筆でゆっくり書くことに意味があるのは、筆が弾力をもっていて
力の入れ具合で変化し続けるからなのである。文字が、手と腕の運動を
見える形に変えるからだ。万年筆ならいくらか筆の真似ができるが、筆
ほど弾力と変化に富んでいない。弾力こそが筆の面白さなのである。

---------(引用終了)

これは何のために引用したのかというと、私が常々サークルメンバーに
子供たちに筆ペンを使わせてみてほしいということを言ってきたことに
関連するからである。
また、明治図書から上梓させてもらった『平仮名・片仮名ワーク』でも
最後には、何度も鉛筆でなぞり書きをしたお手本文字を、筆ペンでなぞ
り書きさせてみたらいいと考えていることにも関連する。
小学1年生でも毛筆習字の練習が可能だし、教育効果も高いと考えている。

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