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2007年2月 9日 (金)

私の本棚070209旅の巨人のおもしろさ

『旅の民俗学』(宮本常一著;河出書房新社 1,800円+税)

旅する巨人・・といえば、佐野眞一の著書に登場してくる宮本常一である。民族学と聞けば、私の場合、柳田国男よりは宮本常一の方が不思議と親近感が沸いてくる。
本著は、いろいろな方々と宮本との対談集である。民俗学とは博識学であると私は思っているのだが、宮本の著作物をみていると本当によく観察しているなと感心するものである。
家の相続といえば、普通長男(長子)ということになっているが、「末子相続」ということもある。相続の逆順というわけだが、なぜそうなるのかが面白い。このあたりは、「土佐源氏」に象徴されるような宮本の嗜好性を伺わせるものがある。

(引用開始)------ところで漁民というのは、農民とは異質な要素が多いですね。住んでいる家屋や庭がぜんぜん違うことはもちろんですが、漁村部でおもしろいのは「末子相続」が多いでしょう。というのは、狭い家で夫婦と子供が一緒に寝るものだから、子供が色気づくころになると困るわけだ。そこで子供を若者宿へ出すようになり、若者はそこで好きな女を見つけて結婚する。そうなればどこかに一部屋借りてやって、船一艘持たせてやる。子供がそうやって次々と年の順に出て行くと、親は結局末っ子にかからざるを得なくなるわけです。播磨の家島(えじま・いえしま)など、一本釣りの漁村ではたいだいそうです。一本釣りというのは、家が小さいですからね。延縄(はえなわ)漁になるとやや家が大きくなり、打瀬網漁になればずっと大きくなる。だから末子相続が多いのは一本釣りのところ・・・-----(引用終了)

なあるほどね。家が狭い云々といえば、サンカを思い出すが、三角の著作を読んでみるとおおらかな文化というか風土が性生活にも現れていたようで、なんとものどかさを感じさせるものがある。

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