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2007年3月20日 (火)

私の本棚070320職人人口は減少しつづける?

『最後の職人伝~手業に学べ 人の巻』(塩野米松著:平凡社 1,600円+税)

 今日は、札幌市内小学校では卒業式を迎える。15日は中学校だった。
 進学率が100%近くなって久しいが、中学卒業にしろ高校卒業にしろ、更にその上での卒業・修了にしろ、職人として社会人となる人口は着実に減ってきているようである。
 団塊の世代の一斉退職とともに職人の技術流出(とりわけ国外への)が心配されているところなのだが、人口動向なんてのは予測可能なことなのだから、政府がしっかりと先を見通して対策をたてておれば、こんなに混乱することもなかったろうにとつくづく思う。
 さて、本書は藁細工・櫓櫂・爪楊枝・座敷箒・簾・和三盆の職人さんたちへの聞き書きで構成されたものである。
 語り口をそのまま文字に起こすのはなかなか難しいことなのだが、塩野氏はなかなか上手に作り上げているなと思う。聞き書きといえば、民俗学者 宮本常一を思い出すのだが、彼の「土佐源氏」などは一級品であり、聞き書きのひとつの手本としたらよいだろう。
 簾の素材は、いろいろあるわけだが、びっくりしたのはセイタカアワダチソウ(例の極悪外来種として名をはせておりますな。私の思い出は八神純子なんだけど(^_^;)が簾の材料になるというもの。これで駆除を兼ねて簾が普及するなら一石二鳥だなと思った。

 和三盆は北海道ではほとんどお目にかかることの無い砂糖菓子だ。四国のサトウキビを使ったもので、上砂糖とは違った味わいのあるものなのだろうと容易に想像できる。
 ちょうど、精製塩と海水塩との違いといったところか。このところのヘルシーな食用塩ブームというのもなかなかよろしいね。
 有田和正先生が粟国の塩を紹介していたけど、店頭にいくと驚くばかりの品数であり、どれもこれもその土地(まあ海だけど)に含有しているミネラルの成分表をここぞとばかりに誇っているのをみると、栄養食品と見まがうばかりである。
 当たり前だが、職人技から生み出される品々は、大量生産とは反対のものばかりだから、高価であることは避けられない。しかし、手業から生み出された品々はどれもこれも味わいが深いことはもちろん、丈夫さにおいても機械製品とは比べられないものが多い。
 悲しいことに紹介されている職人さんたちは、最後の一人という国宝級の状態でなんとかならんもんかと思う。思うのだが、今の世の中で食っていくことを考えると、職人志望をする人が年々減ることは致し方ない現象なのかと思う。

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