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2007年4月18日 (水)

【私の本棚070418教養とは底力なり】

『おとぎの国の科学』(瀬名秀明著:晶文社 1,800円+税)

詰め込み教育に対する批判から「ゆとり教育」がもてはやされてきた歴史が
あるのだが、若いうちに知識を幅広く吸収しておくことは大事なことである。
基礎教養の重要性は今も昔も変わりないことなのだが、この芯の部分がどうも
脆弱化している気がする。人間素養の基礎部分に当たるわけで、人生を豊かに
できるかどうかということにも関わってくる重大事だと私は考えている。

『パラサイト・イヴ』で有名になった瀬名氏のエッセイだから、こりゃ
きっとミトコンドリアのことも書かれているだろうと思ったら、やっぱり
あったね。しかし、テイストがちょっと違ってなかなか普遍的なことを
述べているのである。

===(引用開始)小説を書くことも同じだ。何かと何かを繋げて構築する
ことで、新しい価値観や発想を提示し、読者を楽しませる。ひとつのことだ
けに精通していればいいわけではない。『パラサイト・イヴ』でもミトコン
ドリアという題材を中心に据えることによって、生命進化から腎移植の問題
までもひとつの物語の中でリンクさせることができた。専門領域の論文ばか
り読んでいたのでは、このスリルは絶対に味わえない。
つまり、「教養」とは、リンクするための底力なのである。問題を解決し、
そして新しい面白さを生み出すための底力だといってもいい。知識だけ広範
に持っていても駄目だということがこれでわかるだろう。物事を自分と関連
づける膂力がない限り、それはいつまでも「教養」になりえない。私たちは
この「リンクする力」をどこかできっちりと習っているだろうか?(
終了)

一点豪華というナンバーワンが生きるためにも、ワン・オブ・ゼムとしての
オンリーワン崇拝呪縛を捨て去って、根っこから鍛えることが重要だという
ことだろう。

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