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2007年5月 6日 (日)

私の本棚070506身体脳のすすめ

『脳 ひとり歩きの時代~バーチャル脳を身体が救う』
(勇﨑賀雄著;河出書房新社 1,700円+税)

脳科学の本だとばかり思っていたら、逆に脳科学ブームに警鐘を鳴らす内容だった。
養老孟司氏や茂木健一郎氏への批判は当然のごとく入ってくる。続いて「心の世界、宗教の世界」について触れてくるので、ちょっと目にはうさんくささを感じてしまう人がいるかもしれない。そうかと思うと「日本文化と植物性身体(これが本書のキーワードになっている)」について武士道や芸道について縦横に語るといった、現代病への警告の書だということがようやくつかめてくる。(にぶいなあ・・(^_^;)
いつものように、いくつか興味ある部分をピックアップしてみる。

-------(引用開始) 勉強のよくできるエリートを勉強の嫌いな体育系の人間が否定する場合、ともするとわたしがいう(植物性身体)が安易に短絡した結論を出したり、さらには蛮勇を誇るたぐいのものに堕としてしまうことがある。そして、そうした排他的な〈動物性身体〉の直情的行為はままいじめに結びつく。低いレベルの脳とは排他的な自己中心性がそのまま好き嫌いといった下位の感情と結びついた幼児的な脳のことをいう。

女性が子を産むという生理を放棄してしまうと、女性はどうしようなく自分勝手になり排他的でいじわるなオニババアになってしまう可能性がある。(中略)女の生理を放棄した人間は、女でなくなるだけではなく人間として生物として存在する場所を失うのである。

日本の文化は、〈植物性身体〉の文化である。ということは芸道の稽古は〈植物性身体〉の養成ということになろう。では、その〈植物性身体〉養成の一番基本になる稽古は何かと聞かれたら、わたしは「掃除だ」と答える。「行の出発点は掃除だ」といってもいい。(中略)身体のゆがみを調整する時、四つ足状態から、垂直へ移行した段階の姿勢を活用することは絶大な効果がある。その一番分かりやすい形が雑巾がけである。(中略)四つんばいで雑巾がけをするという基本の行は現在の日本の社会でいじめに苦しんで「自殺願望」を抱いたりリストカットを繰り返している若者の心身の改善に、すなわち他人の言動に過剰に反応して自分を被虐的に追い込んでいる若者の心身症回復にも非常に効果がある。

(ギターを弾くことが脳の正常な働きを回復させることにふれて)しかし、このギターの効果が心身症のどこまで有効かというと当然そこには限界がある。薬物が加わった〈動物性身体〉の邪氣には最終的には無力だというしかない。これが、ジミー・ヘンドリックスの死であり、エルビス・プレスリーの肥満であった。

「だまされるのは、だまされる人が悪い」という発想はアメリカ人の典型的なある意味で合理的な〈頭脳知〉的な発想である。しかし、そこに生じた無理からもうひとつの西欧人独特の〈動物的身体〉の排他的発想が生まれてくる。何でも悪いことは人のせいにして訴えるという考え方である。   (引用終了)-----------

いやはや、挑戦的とも過激ともとれる筆致ながら、ぐいぐいと読まされてしまった。同時に日本人の和の文化ということも改めて考える好機となる書であった。

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