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2007年10月27日 (土)

学テ一考

全国学力調査の結果が配送されてくる前から、あれこれと報道されていたが、最も驚いたのが世帯状況と結果との相関についてのことである。
世帯所得と学力との相関関係については、かねてからいろいろ取りざたされてきたことだが、こうも露骨にされると人権問題にも及びかねない異常事態である。
学校と塾(家庭教師を含む「学校外教育機関」)が併存するダブル・スタンダートが当たり前の世の中になって随分と経つ。最近では、学校側が塾へ講師要請したり、教材提供を受けたりと、私に言わせれば完全なる「敗北宣言」をしているようなものである。
公立校でも教育の質を低下させないように、あれこれと努力している誠実な教師が多くいる中で、免許外?教師に免許教師が頼るというのはねじれ現象以外なにものもない。
まあ、それくらい教員免許というものの価値が下がっているということなのだろう。
こういうことが免許更新制度への追い風となってくるわけだ。

話を戻す。

学力テスト対象が小6年、中3年(内容は、当然小5年まで・中2年まで)となっているわけだから、受験学齢というわけだ。首都圏のように私立中学、進学(高)校への志願者のかなりの数が学校教育だけでは不足感があり、補習のための塾通いをするようになる。
金があれば行けるけど、金がなければ行けないという単純な図式で見れば、世帯所得に応じて、学力形成の土壌の厚さ・肥沃さというものが違ってきて当然である。

ちょっと横にそれるが、今回のB型テストと呼ばれるテストはPISA型を想定してのものということになっているのだが、そもそもPISAを意識した学力形成を現場に奨励していきているわけでもないし、そういう政策が取られてきたという話もない。いつのまにやら文科省の学習指導要領の文言とは別物に、PISAにも当然対応できる学力形成をしているべきだという「後付麻雀」のような対応を迫られているような形である。
フェアな感じがしないのは私だけなのだろうか。

さらに、世帯状況との相関問題は地域コミュニティの分断を一層加速させる要因にもなりかねない。なぜなら、低所得世帯というものは、広く地域に均等分散しているものではなく、低家賃の居住区に密度が高くなるのが当然だからである。
勢い、学校間格差ということでこれまでうやむやにされてきたことが、決定的に顕在化されてくることになる。

さらにさらに、これに人事考課・人事評価というフィルターを加えることにより、学力水準の低いところへの異動を拒む動きが出てくることだろう。教員の評価はなんといっても授業であり、結果として出てくる学力数値をよりどころにするわけだからだ。
一生懸命にやってもなかなか結果を出せない学校と、楽して結果がついてくる学校とどちらがよいか考えるまでもないことだ。

来年度以降も4月に定期的に学力調査が行われることになっているが、国や地域としての学力調査を毎年毎年行う根拠はなんだというのだろうか。

これに対する世論の盛り上がりに期待したいところだが、どうにも期待薄な感じがしている。

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