« ボサノバ誕生50周年 | トップページ | 学校リーダーとしての心がまえ »

2008年5月25日 (日)

私の本棚『発達障害の子どもたち』

『発達障害の子どもたち』(杉山登志郎 著;講談社現代新書 720円+税)

外来予約が向こう3年分も!抱えている現役の小児精神科医の著者がさまざまな実態や教育現場状況を憂えて、執筆した力作で大変勉強になり、教師にとっては励ましにもなる一冊である。

障がい児に対する看取りや対処法については本書に直接当たるとして、以下の文章を紹介しておく
=============================
学校側に非常に批判的な攻撃をしたり、教師の言葉を一つ一つ被害的に受け取る保護者もときどき見るが、そもそも学校と組織は子どもの幸福のために存在していることや、教師が一生懸命仕事をしていることまで、マスコミに乗って疑いをもつのはお勧めできない。(中略)学校への根拠のないバッシングほど無責任なものはない・・
=============================
実にわれわれの代弁者という感じが心強いところである。
今日、理不尽な要求をしてくる非常識保護者(=モンスターペアレンツ)が横行して、現場を混乱させている報道が頻出しているが、非常識に対して常識をもって臨んでも無理がある。
我々教員の世界にも訴訟保険なるものが登場して、首都圏を中心に加入者が増加しているというが、弁護士でも立てて対応していかないと本務である子どもの教育に傾注できない実態があるのだろう。
田舎ほどコミュニティがしっかりしているから、こんなことはあまり必要がないのだ。
陰山英男氏が指摘するのを待つまでもなく、新しい学力観で育ってきた子どもたちが、そろそろ小学校の保護者になってくるご時世である。個性と野生を混同してきた世代が登場するのは、ある意味脅威のムーブメントである。
ましてや、増加の一途をたどっている発達障がい児を相手とする専門性も身につけていかねばならない。
そのための心構えとして必読の一冊となるだろう。

|

« ボサノバ誕生50周年 | トップページ | 学校リーダーとしての心がまえ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事