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2008年6月14日 (土)

「10よりおおきいかず」(小1算数)

歌志内ゼミ報告 その1「10よりおおきいかず」(小1)

今回で2回目。リピーダーが1名。あいにくと子どもがいないのが残念ながら、大人ばかりで大入り満員となってしまった。(^_^;)
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私の模擬授業1「10よりおおきいかず」(小1)
今回の提案は、各位における数量をきちんと認識させつつ、位取り記数法を習得させるというものである。
具体的にいうと次の通り。
従来、タイル指導では、一の位(の部屋)でもバラタイルを10個置いて、棒タイルとしたところで、隣の十の位(の部屋)へ移すという流れで教えられてきている。
ところが、実際には普通のソロバンの珠を見て分かる通り、各位における個数というのは上限で「9」なのである。
したがって、一つの位である「1マス」に書くことができる数字は、0~9までの十種類に限られているのだ。
(余談ながら、数・量・数字・数詞といった学習用語をきちんと理解して使い分けている教師はことのほか少ない。今日も、釜谷さんに指導を加えたところである)

そこで、一の位にはバラタイルの置けるスペースを9個分だけとし、十の位にもまた十の棒タイルが9本までしかおけないように作ったタイル板を設置して授業を進めた。

流れは、1~9までの順唱と指を増やしながらの朗唱。続いて0~9までの順唱と指を増やしながらの朗唱。
大抵の場合、順唱と言えば「1」から「10」までの流れにするところだが、さっきも述べた通り、位取り記数法を指導することを考慮すると「10」までしてはいけないのである。そして「0」を意識させることが「空位記数の0」を理解させるための配慮として重要になってくる。

続いて、ピックアップした人に0~9までの任意の数を言わせ、別の人にタイルを貼らせ、そのタイルの数を見て、数字に書き表す学習作業を展開した。
これもまた算数的活動として重要になってくる。
一つ一つの個別の学習を作業という流れを通して、一貫した流れとして進めることで、定着習得を図ろうという配慮である。

「なな」 → バラタイルを7枚貼る →量を見てノートに「7」と書く。
ここでもチェック。「7」は書くときに何画か?を問うのである。学力の低い子どもや性格が粗雑な子どもは一筆書きをしてしまう。きちんと二画であることを確認し、変な記数を覚えさせないことが重要だ。

二人目は丁度「6」と言ったので、タイル操作はすでに貼られてあった7枚のうち1枚をはずすだけで済む。しかし、子どもの中にはわざわざ全部をはがしてしまってから、あらためて6枚を貼る者もいる。(^_^;)それはそれで大事なことであり、1年生が一冊の教科書でゆとりを持って授業~学習作業させられるようになっているのは、そういう配慮もあってのことかと思う。所詮、大人の思考スピードに合わせるわけにはいかないので、一見無駄っぽく見えることだが、子どもにとっては、きちんとリセットしてからあらためて作業に取りかかる方が、理解を促すということが多いのである。(^_^;)

さて、いよいよ「10」の指導である。ここで初めて二桁表記となってくるわけである。それにも関わらず、一把一絡げで教えてしまう教師がいる。もったいないというより、危険である。
冒頭述べた通り、低学年の算数では位取り記数法をしっかり習得させることが、必達の学習目標である。これができていないと、後に出てくる足し算や引き算、はたまた掛け算割り算といった位をそろえて書いていないとグチャグチャになってしまう子どもを生み出してしまうのである。
そこで提案した通りのタイル操作となってくる。
順調に「9」まで来ると一の位の部屋は満員になる。
次なる「10」をタイルで表すと、隣の部屋、つまり十の位の部屋へと棒タイルで移動せざるを得ないように教材が作られてある。

にもかかわらず、わがスタッフの一人でもある釜谷さんは、こともあろうにバラタイルを1枚だけ、十の位の部屋に置いた。(^_^;)こりゃ、演出を図って、そのようにしてくれたのかと思いきや、大まじめにやっているのである。(^_^;)
(ここらあたりが、空知では麦書房御用達の(^_^;)水道方式で指導したことがないのだなと、実態が分かってしまった。(^_^;)まあ、やらないでもいいのだけど。(^_^;)

そこで、「これは変だという人はいませんか?」と全体に問うたら、これが意外や意外、誰もいないのである。

まあ、こういうことは、決まり事として「このようにするのですよ。」と教えて言い訳だから、「10」の棒タイルを一の位の部屋に貼るとバラ1個がはみ出すので、隣(十の位の部屋)に移します、と話した。
これだけだと詰めが甘い。
そこで、十の位の部屋の下に「1」だけを記数し、一の位をそのまま空欄にしておく。
「これでいいですね?十です。」と念押しを入れる。
当然子どもたちなら、「ダメダメ~」と狂喜するところである。今回の大人達も狂喜はしないけど(^_^;)、違うと指摘できた。
「どうしますか?」と問う。
「一の位の部屋に0を書きます。」となる。
「そうですね。「10」このように書くのですね。」と締める。

以下、定着確認の問題として、20を記数させる。
10~20と来たら、まあ普通30となるところだが、50と言う。(^_^;)
まあ、なんでも対して問題なく進むわけだから、こういう遊びを入れながら、授業を進めるのが低学年、とりわけ1年生では必要なことである。これもまた「変化のある繰り返し」というものである。

こういうきっちりした数だけでなく、「49」とか「28」とかと指示しながら、記数を確認、評価していく、というのが私の授業展開であった。

大事な提案だと自負している。

今回は田中洋一さん率いる苫小牧市立豊川小学校の若手精鋭の先生達が大挙して、学びに来られていた。まず、歌志内までせっかくの休みにもかかわらず、研修にいらっしゃるという姿勢に敬意を表したい。普通来ないね。(^_^;)
こういった熱心な実践家のみなさんをお相手にさせてもらえるので、つくづくありがたいことだと思う。
田中さんの話によれば、学級経営はみなさん上手なのだそうだ。しかし、授業についてはまだまだ満足できないという実に向学心に燃えている方々である。私に言わせれば、学級経営がそこそこうまくいっている人ってのは、それだけでもある程度授業の腕前はあるということだから、さらなる向上的変容を求めようとするのは、相当の傑物ぞろいなのだと思う。
加えて、そういう方々を誘ってこれるという田中さんもまた、大した人に違いないのである。
少しは役立ててもらえただろうか。

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