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2008年8月15日 (金)

『仕事道楽』スタジオジブリの現場

私の本棚080815終戦記念日
『仕事道楽』スタジオジブリの現場(鈴木敏夫著;岩波新書740円+税)

作者の鈴木さんは今でこそジブリのプロデューサーとなっているが、当初は徳間書店の一社員として関わっていた方で、ジブリの裏話はもちろんのこと、スタジオジブリ設立までのいきさつやら徳間書店との関わりやらと、どれもこれも興味深いことがらでいっぱいである。(メガネをかけた顔は「60才を過ぎたイチローは、たぶんこういう顔になっているんじゃないか」と思わせるものがある。
読み始めて、ふと今日が締め切り原稿が一本あることを思い出し、中座して書き始めるが結局身が入らず、読書に戻る。(^_^;)
こういうときは素直に読み切ってしまった方が精神衛生上よろしい。(^_^;)と勝手に決め込んでしまう。

中で男鹿和雄さんのことが出てきた。札幌芸術の森美術館で男鹿さんの展覧会が開催されたこともあって、興味深かったので紹介する。

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『トトロ』で描かれた自然

『トトロ』の美術を担当したのは、当時まだ30代だった男鹿和雄さんです。トトロの大きな魅力のひとつが、あそこに描かれた里山の自然環境であることは誰もうたがわないでしょう。それほどすばらしい仕事だった。背景の自然風景で、観ている人は知らず知らず、季節の移ろい、時間の経過を体感している。たいへんな力量を持った絵職人です。このあいだ(2007年7~9月)、東京都現代美術館でジブリ作品を中心に彼の展覧会が開かれたのですが、超満員で美術館がはじまって以来の客の入りだそうです。むろんトトロだけではありませんが、「トトロの森」のファンが多かったろうと思います。(中略)宮崎監督は、作品づくりに入ると、ふだんと違って厳しい表情になるが、トトロに限ってはそうではなかった。『火垂るの墓』と二本立てなので、気が楽だと宮さんが言っていたのを思い出す。みんなが黙々と絵を描くかたわら、宮さんは近くのスタッフを相手に、楽しそうにお喋りをしながら絵を描いていた。突然、大きな怒声がした。
「うるさい!静かにしてください!」
男鹿さんだった。それだけ言うと、男鹿さんは、脇目もふらず、何事もなかったかのように、絵を描き続けた。スタジオに緊張が走った。だれも顔を上げない。
ややあって、宮さんが静かに立ち上がった。チョークを持って、男鹿さんの机のまわりに白い線を描く。
ここからは入ってはいけない。宮さんは人差し指を口に当てて、いたずら小僧よろしく、シーッとやりながら、ぼくをみた。

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それにしても、宮崎駿と高畑勲は名コンビかと思いきや、実に機微に富んだ関係であることが分かり、これまた面白かった。

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