« 6年学級開きから一週間の声 | トップページ | 20190624Mnemosyne〜Otani's Memo »

2019年6月24日 (月)

『チョムスキーの「教育論」』を読む

 (前略)社会科学・行動科学は、自然科学と関連させて学ばれるべきものです。そうなれば、生徒に社会科学・行動科学の限界を明確に見極めさせることができるからです。社会科学・行動科学を自然科学と関連させながら学ばせる方法は、国内外の政策の真の意図を隠蔽するためにいつも必ず用いられる手段の本質を、生徒に理解させる力を育てる上で重要な武器となり、将来のプロパガンダから生徒を守るものとなり得るでしょう。ー ノーム・チョムスキー(『チョムスキーの「教育論」』明石書店2006.2.10  第Ⅱ章 教育にとって「家畜化」とは何か より)

 

今年の3月で定年退職し、再任用でハーフ勤務となり、給与がこれまでの半減以下となっているので、少々高額な書籍については図書館を利用するようにしている。通勤途中にある道立図書館と江別情報図書館にお世話になっている。

紹介の本は道立図書館所蔵のものであり、記載のとおり十年以上前に発刊されたものながら、チョムスキーがどのように教育論を語っているのか、関心があって借りた次第である。

引用部分は、ハーバード教育評論「知識人と学校」に所収されているエッセィがもとであるが、いかにもチョムスキーらしい評論かと思う。

 

本書を紹介したのは、実はチョムスキーの教育論を紹介したいがためではなく、そのバックグラウンドとなっているところを、訳者の寺島隆吉氏によって上下二段組の138頁にも渡って補遺収録されている凄さを伝えたいためである。

 

チョムスキーがしばしば中米ニカラグアの国情を引用する背景について補遺するものであり、さらには中東イスラエル~パレスチナ問題にも及ぶ論考背景を詳述されているのであるところがただの翻訳書で終わらないところと言える。

チョムスキーの論考を訳すにあたり、これだけの基礎研究を底に敷かねばならないのだなと示されるところが、やはりチョムスキーに正対する上で必要なのだと再認識させられたというわけである。いやはや、市井の退職教員には荷が重いのだなと感じたところである。若いうちから政情や世界史に渡る広い知見を得ておく必要がある。

|

« 6年学級開きから一週間の声 | トップページ | 20190624Mnemosyne〜Otani's Memo »