書籍・雑誌

2008年11月14日 (金)

私の本棚081114『「超一流」の整理術』

『「超一流」の整理術』(中谷彰宏著 ファーストプレス)を読む。

概要を述べると「無駄なものを捨て、整理に努めると運気が上がる」ということである。
大したことないなと思っていたのだが、描写力がよいので、思わず笑ってしまう。
例えばこうだ。
----------------------------------------
仕事における整理のポイントは、2つです。
① 同じものが、2つ以上ない
② 必要なものが、欠けていない

冷蔵庫の中がグチャグチャで、何が何やらわからない人がいます。
私は、冷蔵庫の片づけがけっこう好きです。
散らかっている冷蔵庫があると、片づけたくなります。
とにかくいったん冷蔵庫の中から全部出します。
面白いことにm、からし好きな人の冷蔵庫からは、からしが必ず3つ出てきます。
健康にいいというヨーグルトも、3つ出てきます。
賞味期限が2007年、2006年、2005年です。
ワインセラーのような冷蔵庫です。
奥へ行けば行くほど、ナゾえいたモノが出てきます。
怖いから見ないほうがいいぐらいです。
何かパンパンにふくらんだビニール袋が出てきます。
ホラー映画のようです。
この状態が、頭の中、体、仕事でも起こっているのです。

(夢を実現するために/その12 冷蔵庫を片づけよう。)
-----------------------------------------

我が家の冷蔵庫をスケッチ作文してみたような文章である。(^_^;)
も一つ付け加えると、我が家の冷蔵庫野菜室には、溶けかけの野菜を見かけることがある・・というものだろうか。(^_^;)
いずれにせよ「ホラー映画のようです。」との形容がふさわしい。

これだから非生産的な日常生活と片づけられない家族が増産されているわけなのだな。(^_^;)

|

2008年8月18日 (月)

私の本棚080817夏休み最終日

【私の本棚080817夏休み最終日】
『野村の「眼」~弱者の戦い』(野村克也著;KKベストセラーズ 1,500円+税
ISBN 978-4-584-13056-8)

クセなのにみつけられない

さすがに名物監督としてならしてきたID野球の野村氏らしい好著。
生い立ちから選手時代のエピソードや同時代を生きてきた選手・名将たちへの分析か感想など、これからリーダーとして貢献していく立場にある人間にとっては、いろいろと示唆に富む内容である。
中でも紹介したいのが、「神様、仏様、稲尾様」(これを知っているのは結構な歳でありますね。(^_^;)で有名な稲尾和久にやられっぱなしだった時に、当時としては珍しい16㎜カメラで投球フォームを撮影記録して、分析するというシーンである。
稲尾の投球フォームはどの球種でも全く変わらないため、誰もが攻めあぐねていたところである。だから、日本シリーズ4連投4連勝優勝なんて快挙ができたわけである。(4連投だけでもウルトラ的にスゴイのだけど)
===================================
P.123~124
 最初の感じでは、稲尾のフォームには特徴は見当たらなかった。きれいな安定したフォームで、違った球を投げ込んでいる。だが、ビデオテープ(大谷註;フィルムのことであろう)が擦り切れるまで繰り返し見ているうちに、かすかなヒントが見つかってきた。ワインドアップして頭上で両手を組む際に、ボールの白が見えるときと見えないときがあるのだ。さらに注意して見ると、ボールの白が見えないときは内角には来ない、白がわずかに見えるときは100%内角に来るという特徴がわかった。
「これだ!」と思った。稲尾の武器はシュートとスライダーだ。内角に来ないとわかれば、外角のスライダーかストレートに的を絞ればよい。反対に内角に来るとなれば、シュートを打つ用意をしておけばよい。この特徴を発見したことで、対戦成績は確実に向上した。
 当時の投手は大まかなもので、ボールの握りを隠すような細かい注意はしなかった。私はそこに注目し、クセを読み取って、大いに打ちまくっていた。流石に稲尾はそこまでのんきではなく、ちょっと見ただけでは握りなどわからないような投げ方をしていたのだが、16ミリカメラとしつこい情報分析で、クセを見つけることができた。

====================================
ううむ。
野村氏をして、そこまでしつこく見続けてようやくたどり着くものなのだな・・と感心してしまった。
ここでふと、擦り切れるまで・・で思い出したことがある。法則化~TOSSの高段者たちはいずれも向山さんの授業テープや授業ビデオを繰り返し繰り返し視聴して、その授業技術を獲得してきている。
その前では、新潟の大森修さんが向山さんの著書をボロボロになるまで、繰り返し繰り返し読みこなし、その技術や技能を学んできていた。
向山さんをして「私は大森修という一人の読者を得たということに、本を出した値があったと感じる」というような趣旨の話をされていたことがある。

数ページ前の見出しに「稲尾が私のレベルを引き上げた」という一項目がある。これまたイチローの逸話を思い出す。田坂広志氏がよく引用されるイチローとハドソンの関係である。
アスレチックスのハドソンを打ちあぐねていたイチローが「ハドソンが苦手か?」というインタビューに対して「いいえ。彼は自分というバッターの可能性を引き出すすばらしいピッチャーです。」と返答した話である。
野村氏は稲尾との戦いを通してこう言う。
======================================
稲尾を攻略するにはどうするか。いろいろ知恵を絞る中で、打者としての私は成長することができた。
「一流が一流を育てる」と常々、思っている。一流がいるから、一流を倒そうと努力する。なんとか互角の勝負に持ち込もうと手を尽くす。稲尾は後輩だが、私からすれば、「一流のレベルに引き上げてくれた恩人」といってもよいかもしれない。(中略)
好投手は好打者をつくる教師であり、好打者も好投手をつくる教師だ。稲尾は私にとって最高の教師だった。

======================================
全く同じではないか。
プロの中のプロフェッショナルというのは、同じような体験をしてきているわけだ。
凡人には到底実感できない世界がそこにある。

高卒からテスト入団してたたき上げてきた野草魂から出される言葉には、いろいろと触発されるものが多い。
一読するといいだろう。

|

2008年8月15日 (金)

『仕事道楽』スタジオジブリの現場

私の本棚080815終戦記念日
『仕事道楽』スタジオジブリの現場(鈴木敏夫著;岩波新書740円+税)

作者の鈴木さんは今でこそジブリのプロデューサーとなっているが、当初は徳間書店の一社員として関わっていた方で、ジブリの裏話はもちろんのこと、スタジオジブリ設立までのいきさつやら徳間書店との関わりやらと、どれもこれも興味深いことがらでいっぱいである。(メガネをかけた顔は「60才を過ぎたイチローは、たぶんこういう顔になっているんじゃないか」と思わせるものがある。
読み始めて、ふと今日が締め切り原稿が一本あることを思い出し、中座して書き始めるが結局身が入らず、読書に戻る。(^_^;)
こういうときは素直に読み切ってしまった方が精神衛生上よろしい。(^_^;)と勝手に決め込んでしまう。

中で男鹿和雄さんのことが出てきた。札幌芸術の森美術館で男鹿さんの展覧会が開催されたこともあって、興味深かったので紹介する。

===================================

『トトロ』で描かれた自然

『トトロ』の美術を担当したのは、当時まだ30代だった男鹿和雄さんです。トトロの大きな魅力のひとつが、あそこに描かれた里山の自然環境であることは誰もうたがわないでしょう。それほどすばらしい仕事だった。背景の自然風景で、観ている人は知らず知らず、季節の移ろい、時間の経過を体感している。たいへんな力量を持った絵職人です。このあいだ(2007年7~9月)、東京都現代美術館でジブリ作品を中心に彼の展覧会が開かれたのですが、超満員で美術館がはじまって以来の客の入りだそうです。むろんトトロだけではありませんが、「トトロの森」のファンが多かったろうと思います。(中略)宮崎監督は、作品づくりに入ると、ふだんと違って厳しい表情になるが、トトロに限ってはそうではなかった。『火垂るの墓』と二本立てなので、気が楽だと宮さんが言っていたのを思い出す。みんなが黙々と絵を描くかたわら、宮さんは近くのスタッフを相手に、楽しそうにお喋りをしながら絵を描いていた。突然、大きな怒声がした。
「うるさい!静かにしてください!」
男鹿さんだった。それだけ言うと、男鹿さんは、脇目もふらず、何事もなかったかのように、絵を描き続けた。スタジオに緊張が走った。だれも顔を上げない。
ややあって、宮さんが静かに立ち上がった。チョークを持って、男鹿さんの机のまわりに白い線を描く。
ここからは入ってはいけない。宮さんは人差し指を口に当てて、いたずら小僧よろしく、シーッとやりながら、ぼくをみた。

=====================================

それにしても、宮崎駿と高畑勲は名コンビかと思いきや、実に機微に富んだ関係であることが分かり、これまた面白かった。

|

2008年5月25日 (日)

私の本棚『発達障害の子どもたち』

『発達障害の子どもたち』(杉山登志郎 著;講談社現代新書 720円+税)

外来予約が向こう3年分も!抱えている現役の小児精神科医の著者がさまざまな実態や教育現場状況を憂えて、執筆した力作で大変勉強になり、教師にとっては励ましにもなる一冊である。

障がい児に対する看取りや対処法については本書に直接当たるとして、以下の文章を紹介しておく
=============================
学校側に非常に批判的な攻撃をしたり、教師の言葉を一つ一つ被害的に受け取る保護者もときどき見るが、そもそも学校と組織は子どもの幸福のために存在していることや、教師が一生懸命仕事をしていることまで、マスコミに乗って疑いをもつのはお勧めできない。(中略)学校への根拠のないバッシングほど無責任なものはない・・
=============================
実にわれわれの代弁者という感じが心強いところである。
今日、理不尽な要求をしてくる非常識保護者(=モンスターペアレンツ)が横行して、現場を混乱させている報道が頻出しているが、非常識に対して常識をもって臨んでも無理がある。
我々教員の世界にも訴訟保険なるものが登場して、首都圏を中心に加入者が増加しているというが、弁護士でも立てて対応していかないと本務である子どもの教育に傾注できない実態があるのだろう。
田舎ほどコミュニティがしっかりしているから、こんなことはあまり必要がないのだ。
陰山英男氏が指摘するのを待つまでもなく、新しい学力観で育ってきた子どもたちが、そろそろ小学校の保護者になってくるご時世である。個性と野生を混同してきた世代が登場するのは、ある意味脅威のムーブメントである。
ましてや、増加の一途をたどっている発達障がい児を相手とする専門性も身につけていかねばならない。
そのための心構えとして必読の一冊となるだろう。

|

2007年11月 4日 (日)

あると便利な辞典

私の本棚 071104 『句読点、記号・符号活用辞典。』(小学館辞典編集部編: 2,200円+税)
サークルメンバーが『オノマトペ辞典』を購入したという。6,300円(税込み)。ううむ、高価。(^_^;)
まあ、あれば使うこともあるだろうけど、用途としては、こちらの方が教師向きでよろしいのではないだろうか?(^_^;)
教育出版 小3国語下 を見ていたら、『 』を(ふたえかぎ)と書いてある。私や研究仲間たちは、これまで一貫して(にじゅうかぎかっこ)と言ってきたものだから、ちょいと調べてみた。
ありましたね。
==========================
にじゅうかぎかっこ
二重(にじゅう)かぎ/ふたえかぎ/二重(にじゅう)ひっかけ/袋かぎかっこ/引用がっこ

==========================
いろいろな呼び方があるわけだ。
この辞典のよいところは、パソコン用ワープロでの「入力方法」が添えられているところである。
おまけに「コード入力」まで書いてあるので、JISでもシフトJISでも、ユニコードでも入力できるよう配慮されてあるという念の入れ方だ。(^_^;)
もちろん、辞典だから、用例が豊富。
==========================
C 小説・エッセイなどで、人物の内面の思いを直接話法の形で示すときに使われる。
(用例) 『じゃ、高杜さんは、いま西海地方の鏡山にいるのか。』と麻田は思った。
    (大西巨人「深淵」〈2004〉)

==========================
教師、なかんずく国語を研究対象にする教師なら持っておいた方がいいだろう。(^_^;)

さらに、付録「くぎり符号の使ひ方」〔句読法〕(案) というものに、(6)フタヘカギ『 』 とある。
これは、明治39年2月文部省大臣官房調査課草案の句読法(案)を骨子とし、これを拡充してあらたに現代口語文に適する大体の基準を定めたものである---- と書かれてある。
こうなると、教育出版の(ふたえかぎ)の言い方は、二重かぎかっこよりも以前の呼び方に倣っていることがわかるわけだ。(^_^;)

なるほどね。(^_^;)

|

2007年6月17日 (日)

私の本棚070617web2.0の先

『これから何が起こるのか』(田坂広志著;PHP研究所 1,500円+税) 4569652328

このところ新時代を照射する好著との巡り会いが多い。本書もその一つ。とかく先見予想のジャンルではトフラー夫妻のように西欧人にリードされがちなところがあるが、見ての通り著者は日本人。
web2.0で日本人といえば梅田望夫さんが有名だが、それに続く人ではないかと思う。ちなみに、望田さんと茂木さん(健一郎さん)との対談をメインとした”ちくま新書”『フューチャリスト宣言』もなかなか読ませてくれる期待どおりの背表買いの一冊(後日、紹介する予定)。

本書のサブタイトルは”我々の働き方を変える「75の変化」”となっている。しかし、序話のタイトルの方がはるかにインパクトがある気がする。こうだ。
”ウェブ2.0革命」が、資本主義のすべてを変えていく”

全体のボリュームの割に75もの項目細分化しているために、どうしても的を絞った要約的筆致とならざるを得ないが、逆にその方が読者のイメージを喚起し、主張が明確となるために効果的なのではないかと思う。

さらに、全ての項目で同様のスタイルをとっているので、数項めくるとどこだけを見ていけばよいのかというコツをつかむことができるので、読了も速い。これは、今後の本作りの参考になるなと感じた。
項目の頭だけを拾ってみると、次のようになっている。

第1の変化 「情報革命」によって劇的な「権力の移行」が起こる
第2の変化 「ネット革命」は、社会の隅々で「三つの革命」を起こしていく
第3の変化 「ブロードバンド革命」は「三つの壁」を打ち破る
第4の変化 「ウェブ2.0革命」は「三つの革命」を進化させる
第5の変化 「ウェブ2.0革命」は「衆知創発」の革命をもたらす    
と、以下75項目にわたる。なかなか興味深い。

さて、そんな中で、ポータルサイト戦略が今後続いていくかどうか疑問を投げかけて以下のように続くところが目に付いた。

(引用開始)--- これからの市場では、「顧客に自社の商品を売りつけよう」とする企業は消費者から疎まれます。逆に、「顧客が最良の商品を買うのを手伝おう」とする企業にこそ、消費者の支持が集まるのです。
それは、端的に言えば、こうした姿勢です。
自社の店頭に顧客が来る。しかし、その顧客のニーズを聞くと、自社の商品がベストではない。そのとき、真摯に、誠実に、お客様、それがお客様のニーズであるならば、残念ながら当社の商品よりも、この会社の商品をお勧めいたします」と言って、ライバル企業の商品でも勧めるという姿勢です。
 ---(引用終了)

しかし、この姿勢を貫くことは難しい。自社のIDを低めてしまい兼ねない態度だからだ。自社の商品や製品を自信をもって勧めることを社員なら当事者として当然持っているはずの意識だからである。つまりは、自社品が他社よりも劣る部分を認めることになってしまうからである。これが量販店なら別問題だ。「それなら、こちらのメーカーさんのこの機種がお客様のニーズにあうものでしょう。」ということができるからだ。
この敵に塩を送るような行為を社是として徹底できるかどうかが、これまでの競争一辺倒だった社会風土に変革をもたらすに違いない。
この点に関しても田坂氏は明確に言う。

「革命」とは、昔から、ただ一つの定義しかない。
「権力の移行」

これまでの企業優先で消費者に購買させてきた「当然のパラダイム」をひっくり返すことができる企業、それがweb2.0に台頭する企業ということなのだろう。
『成長への賭け』(上下)もよかったが、こちらもなかなかよかった。
FreeTalkの大前組には必携の一冊である。

|

2007年5月26日 (土)

私の本棚070526「幸せかい?」

『お兄ちゃん』(倍賞千恵子著 廣済堂出版;1,429円+税) 4331505936
タイトルは、故渥美清氏の口癖だそうだ。以前にもTVで聞いたことがあるが、短いが含みの多い言葉だね。
「男はつらいよ」シリーズで長らく妹さくらを演じ続けて、本物の兄妹感覚でいたことだろう。映画を見ていても、演技臭さを感じたことがない。役になりきるということでは、倍賞千恵子という女優は日本の誇りだな。

知らなかったが、中標津に家を建てているとのこと。地元との交流もあり、人柄が表れている気がする。
渥美氏が訪れることはついになかったということだが、お祝いにもらったお金で冷蔵庫を買ったということだから、お料理のたびに渥美氏を思い出すことができることだろう。

俳優としての渥美清は寅さんのイメージがあまりに強すぎたところがあるが、故横溝正史は金田一耕助を渥美清のイメージで設定していたということだ。「八つ墓村」で本当に金田一耕助を演じたわけだが、私としては石坂浩二の方が勝ちだなあ。

|

2007年5月24日 (木)

【私の本棚070524】嗚呼、なつかしきホームドラマたち

『「時間ですよ」を作った男 久世光彦のドラマ世界』(加藤義彦著;双葉社 1,500円+税)
9784575299540

いやはやとにかく抱腹絶倒(^_^;)。「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」といったホームドラマを見ながら育ってきた私にとっては、そこに綴られているシーンはどれも断片的とはいうものの、かなり鮮明に映像記憶として残っているものである。(同じだけ勉強のことが残っていたらなあ・・(^_^;)
読みながら「やはりな・・」と思ったのは、堺正章と樹木希林(当時は悠木千帆~後に芸名を競売にかけた)の芸達者ぶりとその演技魂である。松の湯での「トリオ・ザ・銭湯」のギャグもなかなかのものだった。
再放送すればきっとあたるのではないかと思う。
現在、あふれるほど放送されている芸能人ギャグ、バラエティーものから生まれる低級な笑いではなく、芸術的ともいえる絶妙の笑いは、現代人に再びふれさせる価値があるのではないだろうか。

読みながら、昭和のあのころを思い出し、懐かしい気持ちに浸ることができた。
今年から4月29日は昭和の日となったわけだが、激動の時代を忘れないために・・といいつつ、どこか戦争美化や戦争正統論につながっていくような気がして、穏やかでない印象がある。むやみに元号を関した祝祭日はもうけない方がいいと思っているのは、私くらいなのだろうか。
今じゃ、内湯があたりまえの世の中だが、銭湯を中心としたコミュニティは、どこかホッとするところがあった。それぞれ生活を営むもの同士が、つかず離れずに相互扶助し合いながら生きていた・・そんな時代を取り戻そうという趣旨の「昭和の日」というのなら、諸手を挙げて賛同するところなのだが・・。

|

2007年5月22日 (火)

【私の本棚070522言語としての手話を考察する】

9784121018878
『遺伝子・脳・言語』(堀田凱樹・酒井邦喜著;中公新書 780円+税)

科学者と一般人が特定の科学問題について議論を交わす「サイエンス・カフェ」というイベントがある。筆者二人と参加者とで織りなす話題のあれこれを集録したものだが、なかなか興味深いことが結構あった。
なかでも「手話の脳科学」に関心を持った。
後天的に聴覚障害を持った人と先天的に聴覚が機能していない人とでは、言語処理に違いがあるのだろうくらいにしか考えたことがなかった。
国や地域、種族によって異なる音声言語があるが、手話も国によってまちまちであり、エスペラント語のように世界共通言語なのではない。
エスペラントが成功しなかったのは、共通語であっても地域によって言語が変化してしまうという現象結果があったからだ。それと同様に手話もまた地域により異なってしまうのは必然ということだろう。
音声言語が緩急・強弱によって表情を変えるように、手話もまた顔の表情や動作の変化を補助として表現が微妙に異なってくることが読んでいて、よくわかった。
ちなみに世界中では、6000もの言語があるということだ。国の数より多い!!(^_^;)

|

2007年5月21日 (月)

【私の本棚070521鍛国研メンバー必携書】

4121018753
『「国語」の近代史 帝国日本と国語学者たち』
(安田敏朗著;中公新書 880円+税)

長らく「鍛える国語教室研究会」という国語授業に関する研究会に参加してきている。
主宰は野口芳宏氏である。言語技術に焦点を当てて授業づくり(教材研究+授業をまとめて”授業づくり”ということにしている)を研究している。
勢い、教科書と辞書や関連書物の3点セットとあとは授業者の熱意があれば事足りるような印象があるが、ここで紹介した本も基底知識として持ち得ているかどうかということで、研究の深みが全然違ってくることだろう。
いやはや全く、世の中知らないことばかりである。知っていることをしゃべっていても、更に更に深いことで知らないことがいくらでもあるものだから、いつも謙虚であるべき必要があるということだ。

はじめに
「国語」とは何だろうか。この単純な問いから本書を始める。

ガ~ンと来たね。国語(科)とは正しい日本語を教える教科だと疑いもなく、半ば信念でもっていたことだが、改まって問われるとタジタジとしてしまう。48年も日本人やっていて、ちっともなっていない己のアホさかげんが暴露されるというものだ。これで教師やっているんだから、恐ろしい(^_^;)。
鍛国研メンバーは近代「国語」事典として必携の一冊だろう。

|

より以前の記事一覧